上代歌謡

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や雲立つ 出雲八重垣 妻籠めに 八重垣作る その八重垣ゑ

やくもたつ いづもやへがき つまごめに やへがきつくる そのやえがきゑ

「愛しの妻が誰の目にも触れないよう、家のまわりに八重にも垣をめぐらしたぜっ」 by武素戔鳴尊たけすさのおのみこと

大蛇退治を成功させた武素戔鳴尊たけすさのおのみことは、奇稲田姫くしいなだひめと結婚し、出雲に屋敷をかまえたのでした。

スサノオが嫉妬深かったのか、これが当時のならわしなのか…

天なるや 弟織女の 頸がせる 玉の御統の 穴玉はや み谷 二渡らす 味耜高彦根

あめなるや おとたなばたの うながせる たまのみすまるの あなたまはや みたに ふたわたらす あぢすきたかひこね

(天上の機織女がかけている首飾りの玉のように)ふたつの谷の間を渡っている人は、わたしの兄の味耜高彦根。わたしの夫の天稚彦ではありません。天稚彦は死んでしまったの。もう帰ってくることはないのです。

天稚彦あめのわかひこの葬儀。
彼に瓜二つの味耜高彦根あぢすきたかひこねがその場にあらわれ、天稚彦が生きかえったのだと間違われる。味耜高彦根は怒って帰ってしまい、その妹の下照媛したでるひめが人違いを知らせた歌。

夷曲ひなぶりと呼ばれています。

天離る 夷つ女の、い渡らす迫門 石川片淵
片淵に 網張り渡し、目ろ寄しに 寄し寄り来ね 石川片淵

あまさかる ひなつめの、いわたらすせと いしかわかたふち
かたふちに あみはりわたし、めろよしに よしよりこね いしかわかたふち

田舎の女が川渡りをする石ころの川。この川の片側の淵に、いつも網が張り渡してある。その網の目を寄せて魚を追い込んでいくように、寄ってきなさい、女たち。石ころの川の片側の淵へ。

下照姫したでるひめが詠んだとされる歌。

もともとは民謡だったものが、宮廷に入ってできた歌らしいです。
夷曲ひなぶりと呼ばれています。

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